粉体塗装(パウダーコーティング)とは?

従来の塗装と異なる、厚く丈夫な塗膜が魅力です。

一般的な「塗装」に使用される「塗料」は、顔料(色)が溶剤に溶け込んだもので、液体塗料、溶剤塗料などと呼ばれます。塗装後にこの溶剤が乾燥・揮発することで塗料が定着して塗膜が形成され、これを私たちは「色が塗れた」状態として見ることができます。
一方、粉状の顔料を直接吹き付けて金属などの被塗物に塗膜を形成する塗装方法が「粉体塗装」と呼ばれる塗装方法です。イメージ的には色を塗るというよりも「パウダーコーティング」の文字通り、「細かい粒子で表面をコーティングする」というほうが近いイメージです。

溶剤を使用しないで顔料が金属に定着する秘密は、粉体塗装独特なメカニズムによるもの。
アースされた被塗物(金属)は元々プラスの電気を帯びていて、これにマイナスの電気を与えた顔料(粉体)を吹き付けて表面に付着させます。
さらにこの後オーブンで加熱(焼き付け)することで、均一で丈夫な塗膜が形成されます。

加熱(焼き付け)することにより、粉体が融解し、化学反応によって高分子ポリマーがネットワーク状の組織を形成することで被塗物は空気に触れにくくなり、優れた防錆性を発揮します。
粉体塗装はもともと一般的な溶剤を用いた塗装と比べ、厚く丈夫な塗膜を形成することからサビ止め塗料として普及した歴史があります。ガードレールや車のエクステリア用品など耐候性や防錆性が求められるような製品や、過酷な使用状況の塗装にも広く利用されているのはこのためです。

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