粉体塗装のメリット
粉体塗装が選ばれる4つの「メリット」とは?
粉体塗装(パウダーコーティング)が今注目され選ばれるのには、以下のような従来の溶剤塗装とは全く異なる「粉体塗装ならではのメリット」を、その理由として挙げることができます。
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強く丈夫な塗膜
1回の塗装で40〜150ミクロンの塗膜を作ることができ、これは溶剤塗装のおよそ4〜5倍の厚み。エッジ部への付着性にも優れているので、液体型と両のような厚膜塗装時のタレ・タマリ・ピンホールも少なく、均一に高厚膜の塗膜が可能です。
さらに焼き付け時の化学反応による融解によって強固に結びついた塗膜は、大変丈夫でキズに強く、耐熱性や耐油性にも優れるため、過酷な使用にも耐えることができます。自動車部品などの塗装で粉体塗装が選ばれているのはそのためです。 -
柔軟性のある塗膜
粉体塗料にはエポキシ系、エポキシポリエステル系、ポリエステル系、ナイロン系など性質の異なる塗料があります。
使用する粉体塗料の種類によって、仕上がり時に柔軟性のある塗膜を形成できます。
こうした塗膜の場合、塗装の割れや剥離のしにくさに優れており、屋外など温度差によって被塗材(金属)の伸縮に耐える事ができ、ひびわれにくさを発揮するなど、耐摩耗性や耐衝撃性を求められる場面で好まれています。 -
優れた防錆能力
粉体塗装を施すことで優れた防錆能力を発揮します。
均一に、エッジ部への付着性も良く、ピンホールもできにくいのが粉体塗装の特長ですが、これにより被塗材(金属)と空気との接触を完全にシャットアウト。一般的な溶剤塗装と比べ、錆びにくくすることができます。
厚く丈夫な塗膜はキズにも強いため、長期間の防錆性能が期待できるので、ガードレールやエクステリア用品などによく使用されています。 -
人と自然に優しい
一般的な溶剤塗装の場合、塗膜を定着させる有機溶剤。これにはシックハウス症候群の原因としても知られるVOC(トルエン、キシレン、酢酸エチルといった揮発性有機化合物)が含まれています。
粉体塗装(パウダーコーティング)に使用する塗料はいわゆる『無溶剤塗料』のため、VOCの排出量はゼロ、もしくはほとんど含みません。そのため溶剤の揮発が原因となるVOCなどが原因の公害やリスクの発生を抑制できます。
有機溶剤による中毒や、引火による危険も回避できるため、粉体塗装は人の健康・自然環境どちらにもやさしい塗装方法と言えます。
※詳しくは「粉体塗装と環境」を参照